数学科リレー講座「生誕400年記念 パスカル特集」5日目
2023.08.24
5日目では、まず4日目後半で得た射影幾何学のイメージを携えて『射影平面』について更に詳しく考えていきました。射影とはその名の通り(光源からスクリーンへ)射した影を表し、その光源に目をやれば、1本の光線は1点の影になることが分かります。これが”直線を点とみる”という射影平面を理解する上で欠かせない考え方であり、このことを用いて座標や無限の彼方にある点が定義できることをみました。また、射影平面を考える理由の1つに、「2直線は必ず1点で交わる」ことが挙げられ、この証明も”点を直線とみる”ということを用いて幾何学的に行いました。
後半には、パスカルの定理と合わせて射影幾何学の基本定理と呼ばれる『デザルグの定理』を、ユークリッド平面上にある場合と比べながら、場合分けが必要ない射影平面上で考えることが自然であることをみたのち、代数的に証明しました。